☆_____Chat not in English Part 1_____☆ (98)

73 Name: Captain Obvious : 1993-09-4619 19:50

吾輩は猫である。名前はまだない。

どこで生れたかとんと見当がつかぬ。なんでも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていたことだけは記憶している。吾輩はここではじめて人間というものを見た。しかもあとで聞くとそれは書生という人間の中でいちば獰悪な種族であったそうだ。この書生というのは時々我々をつかまえて煮て食うという話である。しかしその当時はなんという考えもなかったからべつだん恐ろしいとも思わなかった。ただ彼の手のひらにのせられてスーと持ち上げられた時なんだかフワフワした感じがあったばかりである。手のひらの上で少し落ちついて書生の顔を見たのがいわゆる人間というものの見始めであろう。この時妙なものだと思った感じが今でも残っている。第一毛をもって装飾されべきはずの顔がつるつるしてまるで薬罐だ。その後猫にもだいぶ会ったがこんな片輪には一度も出くわしたことがない。のみならず顔のまんまん中があまりに突起している。そうしてその穴の中から時々ぷうぷうと煙を吹く。どうもむせぱくてじつに弱った。これが人間の飲む煙草というものであることをようやくこのごろ知った。

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